仕事をしない人間だった時

人との間と書いて「人間」。確かに私たちは人間関係がなければ、生物的に生きていても人としては生きていないのです。それは昔からよく聞いてきたことです。しかし還暦を超えて、強く実感するようになりました。
 教員生活を終えて、還暦になり、一旦青梅の森の近くの自宅にこもりました。かつての知人との旧交を温めつつも、それは愉しくも、どこか虚しい隠居生活のようなものでした。
 不条理な苦しい仕事に追われ、行きつく暇もない日々の職務に埋没するのも悲劇ですが、さりとて、一旦仕事を辞めてしまえば、それもまた行き場のない煩悶の日々が続くのです。好きな読書も、旅も、山歩きも、その空虚感は満たされません。もちろん、それは健康があればこそで、生かされているその事実には感謝ではあります。
 わが身の勝手さに呆れもしますが、健康がある限りにおいて、社会と繋がることなくして生きている実感を得ることは至難の業です。人と係ることは面倒ですが、人と関わらずして、生きている歓びもないのも事実。生きるということは、なかなか面倒です。
 人生は世代によって、それぞれの発達課題があります。子どもには子どもの役割、青年期にも、中高年期、老年期にも。人は、その生命を閉じるまで、成長することが可能だとされています。自分の発達課題は何か、さらに成長するためにはそのことを確認しなければなりません。
 たとえ老人と呼ばれても、悟りを開いた孤高の仙人のような生活は、凡人のわたしにはできません。ささやかでも、身の丈に合った世俗の世界で人との出会い、係りを愉しみたいと思うのです。願わくば、人様のお役に立てるようなことがあれば、それは幸いなことです。

 

松本 利勝

国家資格キャリアコンサルタント

産業カウンセラー、教育カウンセラー

元中高校長

不登校生徒にとってのステイホーム

不登校の生徒や閉じこもりの人々にとって、ステイホームは日常でした。しかし、コロナ対応でステイホームが社会の流れになると、現象としては、それらの人々は普通になりますみんなが家にいるのですから。

自粛は、外に出られない人々にとって、自粛ではなく、それまでの日常の連続でしかなかったのかもしれません。彼らはコロナ騒ぎ、自粛をどう感じているのでしょう。

自粛が解除され、私たちは再び、外に出る日常に戻りつつあります。そして、同時に、他人には理解しがたい心の自粛を強いられている人々は、ステイホームの世界の中に閉じこもるのです。

コロナ対応では学校の先生たちもご苦労が絶えないでしょう。ご自身の家族も心配。もちろんひとりひとりの生徒に寄り添わなければなりません。また誠実な管理職の先生であれば、ひとりひとりの先生たちをしっかり支えなければなりません。その混乱と忙しさの中で従来からの不登校の生徒たちに対して、どのようなケアーをされているのでしょうか。

学校でのオンライン教育が話題ですが、パソコンと格闘しながら、不登校の生徒たちに寄り添う先生方を応援します。

私たちは、自粛解除で解放感を感じています。しかし、あらたな恐怖・不安を抱く人々の存在を私たちはどれほど意識しているのか、考えたいと思います。不安な語感、ステイホーム。

 

松本 利勝

国家資格キャリア・コンサルタント

産業カウンセラー・教育カウンセラー

元中高校長

教育では平和をつくれない

  かつて、中高で平和教育なるものをしていました。平和を作りだすとは、どのような意味か。その実践とは何を意味することなのか、ただ事実を知ることを通して探求し続ける教育です。答えはありません。生徒たちが学ぶのは、調べ方、考え方。試験は、レポートでした。そしてほぼ全員が最高のA評価。つまらないのは愛が世界を救うとか、正義の味方とか、話せばわかり合えるなどという言葉が軽薄に語られるとき。世に流布する表層的道徳。吐き気がするほど。ちゃんちゃらおかしくて。

 沖縄も広島・長崎の原爆に関するわたしたちの問題も、軽薄なヒューマニズムでは決して解決しません。

ただ、問い続ける営みと魂の叫びを武器として無心にどこかの人々に響かせるだけです。

 国際紛争の現場に身を置き、世界で最も貧しい国、シエラレオネに学校を作ったA氏の言葉「教育では平和はつくれない。わたしの作った学校の生徒が、やがて少年兵となり沢山の人々を虐殺したのだから」

 教師であり続けるのは、そう簡単なことではありません。

 

 

松本 利勝

国家資格キャリアコンサルタント

産業カウンセラー、教育カウンセラー

 

人生は遊び

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「ライフプランニング」という言葉があります。自分の人生のゴールを設定し、それに向けて人生をどう計画するか、ということです。
キャリア教育ではそのような力を習得することを大切にしています。しかし、現実にはそう簡単なことではありません。わたしたちの日常は、そのような計画がなくても、それなりに流れていくように思えるからです。ましてひどく貧しければ、日々の飢えを満たす一切れのパン、一握りの米粒を求めることに追われ、人生の目標、そのための道程など考える余裕などはありません。マズローの満足理論を説明するまでもありません。
 そもそも人生のゴールとは何でしょうか。実は人生にはゴールなどないのかもしれません。わたしの父は、バイクで近くに住む叔母に届け物をしている途中に事故に合い、あっという間に人生の強制終了を強いられました。志村けんさんも岡江久美子さんもあっという間にコロナでその人生は閉じられました。人生の終焉は、誰も知りえないのです。わたしもあなたも。
 誰にも知りえぬ人生の終わり。ゴールなど設定することにどのような意味があるのでしょう。だとすれば「今」だけが人生のゴールということになります。人生プランニングとは、今をどう生きるか、ということになりませんか。そして次の問い。「今」を生きるとはどのようなことか。その答えは「ワクワクドキドキ」。もはや、理屈ではありません。それをしていると何か楽しい、ワクワクする。ドキドキして感動してしまう。そのようなことを見つけることです。人は楽しくなければ、やる気が起こらないのです。そして、不思議なことに、その楽しさは、何故か人に喜んでもらえなければ、その感覚は永続性を持たないのです。それを遊びともいうのかもしれません。

人はどうやら、人のために生きるように作られているようです。
 コロナ時代、そのライフプランニングの理。

 

松本利勝

国家資格キャリアコンサルタント

産業カウンセラー

元中学校・高等学校校長

 

音楽のちからは命の希望

f:id:careersg:20200419104747j:plain東北大震災福島で奏でられる音楽。自衛隊の音楽隊の音色は、人々の心に光を灯した。

 

 心が疲れてしまう時があります。他人には明かさぬひそかな苦しみを持つことは、普通の人々には自然なことです。理屈ではない後悔の念、自責と煩悶が胸を押しつぶす、その時に私たちを支えるもののひとつは、時に音楽です。

 不思議な魔術です。古代の権力者が、その計り知れぬ力を恐れて、自らの統制下においたことも十分に理解しうることです。アジア太平洋戦争時に音楽が戦意高揚に利用されたことはあまりにも有名です。

 しかし、多くの時代、音楽は人々を励まし、絶望の淵からその人を引き上げてきたのです。その時代の音楽家を通して。音楽家はやがて、その時代に姿に終焉を告げ、ただその音色だけが歴史を超えて響き渡ります。

 自然の風のさらさら音に、川の水面のゆらめく陽光に音楽を感じることもあるのです。だから、わたしは青梅の森に住んでいるのです。

 心が疲弊してしまったとき、そこに音楽がある幸せに感謝。

 

松本 利勝

 国家資格キャリアコンサルタント

 産業カウンセラー

 元中高校長 教育カウンセラー

 

 

 

新コロナと職業選択~50代からの再就職~

 

f:id:careersg:20200409154528j:plain(NHK 朝ドラ4月9日 信頼していた社長を失った馬具職人が会社を辞めるという。食べていくために。この職人は、苦渋の選択をしながらも馬具を作るというスキルを武器にたくましく生きる)


 いったい誰が、想像し得たでしょうか。この「新コロナ」現象。自粛の波に飲まれて、多くの人々が職を失い、路頭に迷うでしょう。命や夢を奪われてしまう人もいるかもしれません。仕事を得て、その労働の対価として日々の糧を得るのは、当たり前のことではないのだと、これほど痛感することは稀なことです。
 公務員という安定した職種の人々は、給料は保証されていますが、その立場にない人々は、いつでも職を失うという現実に直面しているにちがいありません。もちろん、公務員であっても災害時には、いのちを賭して臨むリスクには立ち向かわなければならぬ苦悩はあるでしょう。それらの人々への深い思いを持ちつつ、今は、職を失い、明日のごはんを食べることができなくなる不安と恐怖を持つ人々への想像力をわたしたちがいかに持つことができるか、が問われているように思います。
 さて50代に再就職を望む皆さんは、目下、思案していることでしょう。これまでの自分のキャリアが他の職場で通用するのだろうか。自分のだれにも負けないスキルとは何か。人生の目的は何か。この社会で、自分にできることは何か、どのような仕事を選び、そのためにどのような努力をすべきかを。

 その考える、という営みから逃避した人々には輝く未来は遠い。そう自分にも問いかける日々です。もう若くはないけれども、まだやれることはあるはず、と信じたい自分への慈しみ。

 

松本 利勝

 国家資格キャリアコンサルタント

 産業カウンセラー

 元中高校長。特に不登校支援カウンセリングに関わる。
 
 


 

50代からはじまる希望の未来

50代の皆さんへ

 

こんにちは。2019年度が終わろうとしています。学校は卒業式の時期。でも、今年はコロナ対応で、通常の形がとれない学校が続出。児童・生徒・学生たちにとっては、ある意味忘れがたい卒業になったのではないでしょうか。元教員の私にとっては、現場の先生方は政府からの突然の休校要請対応に追われてさぞ大変だっただろうな、と心配していました。いつも、現場は上からの一方的な指示で戸惑いますから。

でも、こんな時だからこそ、私たちは自分の生き方、キャリアビジョンを見つめなおせる。どんな変化がやってきても、枝垂桜の枝のようにしなやかに変化の風に美しく揺らぎましょう。時代の流れを嘆いても自分の人生に意味あることは何も生まれません。思慮ある行動を起こすことのできる人に、良きハプニングが起きるのです。

特別公務員50代半ばで退職する皆さん、人生の本番は、これからです!

 

<お知らせ>
①5月開講 第3期 外国人労働者生活支援員クラス

時代に合った新しい仕事に備えてみませんか? 日本社会はすでに外国人労働者に支えてもらわないと厳しい時代が来ています。しかし、日本語も習慣もよくわからない外国人がたくさんいます。この人たちを支援し、時には厳しく、時には寄り添うスタッフが必要とされています。このクラスでは「外国人労働者とは」「簡単な日本語の教え方」「外国人を取り巻く諸問題」「異文化間カウンセリング」「外国人労働者と防災」等をディスカッション形式で理解を深めていきます。ゲストスピーカーには国連高等難民弁務官事務所元駐日代表の滝澤三郎東洋英和女学院大学名誉教授、新宿日本語学校校長江添秀隆先生、他をお招きします。新しい分野の勉強を一緒に始めてみませんか。再就職に対応しています。

開講日:下記の土曜日 9:30〜16:30
5月16日、5月30日、6月6日、6月27日、7月11日、7月25日、8月1日 全7回
費用:11万円(税込)
定員:15名
場所:JR山手線高田馬場下車 徒歩5分 新宿日本語学校1号館
お問合せ:matsumoto@careersg.co.jp

②5月開講 国家資格キャリアコンサルタント資格取得講座
講座リニューアル! 国家資格キャリアコンサルタント、働き方支援のエキスパートになってみませんか。
さらにコンパクト、参加しやすくなりました。今回は実技試験をメインに、学科試験合格のための勉強方法等が授業に盛り込まれています。

開講日:月1回、下記の土曜日 9:30〜13:00
5月23日、6月20日、7月18日、9月19日の4回
費用:6万6000円(税込)
定員:15名
場所:JR山手線高田馬場下車 徒歩5分 新宿日本語学校1号館
お問合せ: matsumoto@careeersg.co.jp

③5月開講 体当たり!日本語教師養成講座
外国人に日本語を教える「日本語教師」が不足しています。外国人労働者が激増し、日本語教育の形も多用となりました。理論だけ学んでも、日本語を教えることはできません。この講座は学んだことをすぐに実践してみるという、「体当たり型の日本語教師養成講座」です。実習もできます。日本語教師はパートタイムでの仕事にも最適。
目標は1年で入門、初級の2冊のテキストを教えられるようになること。月2回で欠席は自由(課題を出します)です。都合の良い日に参加しても大丈夫。計画の立てやすい講座です。

開講日:下記の土曜日 13:30〜16:30
5月9日、5月23日、6月13日(9:30〜13:00)6月20日 7月4日
費用:1回5000円(税込)
定員:1回の定員 12名
場所:新宿日本語学校
④キャリコンカフェ 6月13日(土曜日)13:30〜16:30
自衛官・民間人、誰でも参加自由のキャリアコンサルタントの集い。みんなでディスカッションしながら、キャリアコンサルタントの勉強をします。キャリアコンサルタント、カウンセラーに興味のある方もどうぞ!

参加費:2000円(税込 お菓子代、場所代、資料だい)
場所:新宿日本語学校

https://careersg-oneonone.jp

 

松本 利勝

国家資格キャリア・コンサルタント

産業カウンセラー

教育カウンセラー(元校長。不登校生徒などの専門カウンセリングも行います)