人生は遊び

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「ライフプランニング」という言葉があります。自分の人生のゴールを設定し、それに向けて人生をどう計画するか、ということです。
キャリア教育ではそのような力を習得することを大切にしています。しかし、現実にはそう簡単なことではありません。わたしたちの日常は、そのような計画がなくても、それなりに流れていくように思えるからです。ましてひどく貧しければ、日々の飢えを満たす一切れのパン、一握りの米粒を求めることに追われ、人生の目標、そのための道程など考える余裕などはありません。マズローの満足理論を説明するまでもありません。
 そもそも人生のゴールとは何でしょうか。実は人生にはゴールなどないのかもしれません。わたしの父は、バイクで近くに住む叔母に届け物をしている途中に事故に合い、あっという間に人生の強制終了を強いられました。志村けんさんも岡江久美子さんもあっという間にコロナでその人生は閉じられました。人生の終焉は、誰も知りえないのです。わたしもあなたも。
 誰にも知りえぬ人生の終わり。ゴールなど設定することにどのような意味があるのでしょう。だとすれば「今」だけが人生のゴールということになります。人生プランニングとは、今をどう生きるか、ということになりませんか。そして次の問い。「今」を生きるとはどのようなことか。その答えは「ワクワクドキドキ」。もはや、理屈ではありません。それをしていると何か楽しい、ワクワクする。ドキドキして感動してしまう。そのようなことを見つけることです。人は楽しくなければ、やる気が起こらないのです。そして、不思議なことに、その楽しさは、何故か人に喜んでもらえなければ、その感覚は永続性を持たないのです。それを遊びともいうのかもしれません。

人はどうやら、人のために生きるように作られているようです。
 コロナ時代、そのライフプランニングの理。

 

松本利勝

国家資格キャリアコンサルタント

産業カウンセラー

元中学校・高等学校校長

 

音楽のちからは命の希望

f:id:careersg:20200419104747j:plain東北大震災福島で奏でられる音楽。自衛隊の音楽隊の音色は、人々の心に光を灯した。

 

 心が疲れてしまう時があります。他人には明かさぬひそかな苦しみを持つことは、普通の人々には自然なことです。理屈ではない後悔の念、自責と煩悶が胸を押しつぶす、その時に私たちを支えるもののひとつは、時に音楽です。

 不思議な魔術です。古代の権力者が、その計り知れぬ力を恐れて、自らの統制下においたことも十分に理解しうることです。アジア太平洋戦争時に音楽が戦意高揚に利用されたことはあまりにも有名です。

 しかし、多くの時代、音楽は人々を励まし、絶望の淵からその人を引き上げてきたのです。その時代の音楽家を通して。音楽家はやがて、その時代に姿に終焉を告げ、ただその音色だけが歴史を超えて響き渡ります。

 自然の風のさらさら音に、川の水面のゆらめく陽光に音楽を感じることもあるのです。だから、わたしは青梅の森に住んでいるのです。

 心が疲弊してしまったとき、そこに音楽がある幸せに感謝。

 

松本 利勝

 国家資格キャリアコンサルタント

 産業カウンセラー

 元中高校長 教育カウンセラー

 

 

 

新コロナと職業選択~50代からの再就職~

 

f:id:careersg:20200409154528j:plain(NHK 朝ドラ4月9日 信頼していた社長を失った馬具職人が会社を辞めるという。食べていくために。この職人は、苦渋の選択をしながらも馬具を作るというスキルを武器にたくましく生きる)


 いったい誰が、想像し得たでしょうか。この「新コロナ」現象。自粛の波に飲まれて、多くの人々が職を失い、路頭に迷うでしょう。命や夢を奪われてしまう人もいるかもしれません。仕事を得て、その労働の対価として日々の糧を得るのは、当たり前のことではないのだと、これほど痛感することは稀なことです。
 公務員という安定した職種の人々は、給料は保証されていますが、その立場にない人々は、いつでも職を失うという現実に直面しているにちがいありません。もちろん、公務員であっても災害時には、いのちを賭して臨むリスクには立ち向かわなければならぬ苦悩はあるでしょう。それらの人々への深い思いを持ちつつ、今は、職を失い、明日のごはんを食べることができなくなる不安と恐怖を持つ人々への想像力をわたしたちがいかに持つことができるか、が問われているように思います。
 さて50代に再就職を望む皆さんは、目下、思案していることでしょう。これまでの自分のキャリアが他の職場で通用するのだろうか。自分のだれにも負けないスキルとは何か。人生の目的は何か。この社会で、自分にできることは何か、どのような仕事を選び、そのためにどのような努力をすべきかを。

 その考える、という営みから逃避した人々には輝く未来は遠い。そう自分にも問いかける日々です。もう若くはないけれども、まだやれることはあるはず、と信じたい自分への慈しみ。

 

松本 利勝

 国家資格キャリアコンサルタント

 産業カウンセラー

 元中高校長。特に不登校支援カウンセリングに関わる。
 
 


 

50代からはじまる希望の未来

50代の皆さんへ

 

こんにちは。2019年度が終わろうとしています。学校は卒業式の時期。でも、今年はコロナ対応で、通常の形がとれない学校が続出。児童・生徒・学生たちにとっては、ある意味忘れがたい卒業になったのではないでしょうか。元教員の私にとっては、現場の先生方は政府からの突然の休校要請対応に追われてさぞ大変だっただろうな、と心配していました。いつも、現場は上からの一方的な指示で戸惑いますから。

でも、こんな時だからこそ、私たちは自分の生き方、キャリアビジョンを見つめなおせる。どんな変化がやってきても、枝垂桜の枝のようにしなやかに変化の風に美しく揺らぎましょう。時代の流れを嘆いても自分の人生に意味あることは何も生まれません。思慮ある行動を起こすことのできる人に、良きハプニングが起きるのです。

特別公務員50代半ばで退職する皆さん、人生の本番は、これからです!

 

<お知らせ>
①5月開講 第3期 外国人労働者生活支援員クラス

時代に合った新しい仕事に備えてみませんか? 日本社会はすでに外国人労働者に支えてもらわないと厳しい時代が来ています。しかし、日本語も習慣もよくわからない外国人がたくさんいます。この人たちを支援し、時には厳しく、時には寄り添うスタッフが必要とされています。このクラスでは「外国人労働者とは」「簡単な日本語の教え方」「外国人を取り巻く諸問題」「異文化間カウンセリング」「外国人労働者と防災」等をディスカッション形式で理解を深めていきます。ゲストスピーカーには国連高等難民弁務官事務所元駐日代表の滝澤三郎東洋英和女学院大学名誉教授、新宿日本語学校校長江添秀隆先生、他をお招きします。新しい分野の勉強を一緒に始めてみませんか。再就職に対応しています。

開講日:下記の土曜日 9:30〜16:30
5月16日、5月30日、6月6日、6月27日、7月11日、7月25日、8月1日 全7回
費用:11万円(税込)
定員:15名
場所:JR山手線高田馬場下車 徒歩5分 新宿日本語学校1号館
お問合せ:matsumoto@careersg.co.jp

②5月開講 国家資格キャリアコンサルタント資格取得講座
講座リニューアル! 国家資格キャリアコンサルタント、働き方支援のエキスパートになってみませんか。
さらにコンパクト、参加しやすくなりました。今回は実技試験をメインに、学科試験合格のための勉強方法等が授業に盛り込まれています。

開講日:月1回、下記の土曜日 9:30〜13:00
5月23日、6月20日、7月18日、9月19日の4回
費用:6万6000円(税込)
定員:15名
場所:JR山手線高田馬場下車 徒歩5分 新宿日本語学校1号館
お問合せ: matsumoto@careeersg.co.jp

③5月開講 体当たり!日本語教師養成講座
外国人に日本語を教える「日本語教師」が不足しています。外国人労働者が激増し、日本語教育の形も多用となりました。理論だけ学んでも、日本語を教えることはできません。この講座は学んだことをすぐに実践してみるという、「体当たり型の日本語教師養成講座」です。実習もできます。日本語教師はパートタイムでの仕事にも最適。
目標は1年で入門、初級の2冊のテキストを教えられるようになること。月2回で欠席は自由(課題を出します)です。都合の良い日に参加しても大丈夫。計画の立てやすい講座です。

開講日:下記の土曜日 13:30〜16:30
5月9日、5月23日、6月13日(9:30〜13:00)6月20日 7月4日
費用:1回5000円(税込)
定員:1回の定員 12名
場所:新宿日本語学校
④キャリコンカフェ 6月13日(土曜日)13:30〜16:30
自衛官・民間人、誰でも参加自由のキャリアコンサルタントの集い。みんなでディスカッションしながら、キャリアコンサルタントの勉強をします。キャリアコンサルタント、カウンセラーに興味のある方もどうぞ!

参加費:2000円(税込 お菓子代、場所代、資料だい)
場所:新宿日本語学校

https://careersg-oneonone.jp

 

松本 利勝

国家資格キャリア・コンサルタント

産業カウンセラー

教育カウンセラー(元校長。不登校生徒などの専門カウンセリングも行います)

 

 

高輪ゲートウェイ駅の工事

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高輪ゲートウェイ駅の工事の進み具合です。今日は東京マラソンです。この道路、第3京浜です。ここを世界の一線の選手たちが走り抜けます。役員の皆さんが数人、準備しています。テレビでは、今、中継が行われています。深川20キロ地点でしょうか。

東京の風景は、刻一刻と変化しています。わたしたちの生きる時代が終わっても、世界は変わり続けるのですね。それぞれの時代に、変化に対応しながら、それぞれが精いっぱい生きています。生きている実感をかみしめ、楽しみながら。

ラソン選手たちも、この時代の中で、その人生の「今」を生きています。わたしたちもまた、この与えられた時代の中で、生きること、他の命ある者たちとの共生を楽しみたいものです。

野の花を見、空の鳥を見上げつつ。

 

松本 利勝

 

国家資格キャリアコンサルタント

産業カウンセラー、教育カウンセラー

元中学・高等学校校長

 

50代の自衛官。退職後の人生にエール

50代で退職される方々がいらっしゃいます。特別国家公務員。例えば自衛官。人生は奇妙な出会いを与えるものです。30年以上、私立の中高で教員生活をしてきた私が、まさにその最終局面で教職の場を東京から仙台に移し、震災後の学校で仕えました。が、再び東京のマラソンで著名な私立某有名校に職を得て不登校生徒支援。そして、今、自衛隊で登壇させていただき退職後のキャリア支援をさせていただいています。何と不思議な巡り合わせ。思えば、兄も陸上自衛官でしたし、親族にも自衛官は少なくありませんでした。感謝すべきは自衛官の皆さんの素晴らしき人間性との出会いです。約30年間、日々の訓練、海外派遣での過酷な経験、阪神淡路大震災をはじめ、東日本大震災など幾多の災害被災者支援派遣などに人生を賭けたキャリアをお持ちになる人々です。
わたしは福島県人ですが、あの原発事故の際に命をかけた出動した自衛官の人々に感謝しています。自衛隊の人々の使命感を知った瞬間でした。
50代半ば、自衛官は退職を迎えます。誕生日、まさにその日に誇り高く自衛隊を去るのです。そして、第二のキャリアを迎えます。
民間の世界は、未知の世界。どんな戦車の操縦のプロであっても、パラシュート降下のエリートであっても、秘密の諜報の職にあっても、民間に出れば新人。その不安は隠せません。

そのような自衛官の皆さんのお役に立てることが何か、何をさせてもらえるか、これからも一緒に考えていきたいと思うのです。

 

松本利勝

 国家資格キャリアコンサルタント

産業カウンセラー

34年間中学・高等学校で福祉教育、国際理解教育、キャリア教育を担当。

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プロティアンという時代に流されない生き方

 f:id:careersg:20200115172934j:plain高輪ゲートウェイ駅工事風景 2020/1/115

弊社の事務所は、高輪にあります。ビルの5階にあるのですが、窓からは高輪ゲートウェイ駅の日々進みゆく工事の様子を眺望できるのです。今年の3月に暫定開業し、2024年度には全面開業の予定です。人の往来が増え、経済活動も活発になるでしょう。日々進化する街、それが東京です。

一方、観光や地場産業に魅力を生み出せない地方の街は廃れていくばかり。しかし、これも時代の流れ。人々の求めるものがそこになければ、あるいは求めるものを生み出すエネルギーがなければ、当然の成り行きです。わたしの福島の故郷、小野町も今のところ「リカちゃんキャッスル」以外、注目されるものは何もありません。寂しい限りです。

しかし、この世界のすべては変わりゆくもの。人生もまた、変わりゆくもの。古代ギリシャ神話のプロティアンは、己の生命を生きんとして周囲の変化に合わせて、自らの姿を変幻自在に変えました。そのように私たちもまた、周囲の変化に流されるのではなく、積極果敢に己を変貌させる力が必要なのでしょう。その元になるのは、この世界を面白がる感性でしょうか。そしてそれは、頭で考えるのではなく野生的な身体的欲求の保持することを大切にすることから習得できるのかもしれません。

さて、わたしたちのこの人生、いかにして変幻自在に生かしていきましょうか。

 

松本利勝

国家資格キャリア・コンサルタント

産業カウンセラー

元中高校長

 教員生活30年以上、不登校生徒、その保護者、担任、スクールカウンセラーの相談に乗る。現在も株式会社キャリア・ストラテジーで活動中。