難民のクリスマス

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青梅市 知的障がい者施設 友愛学園の入所者作品「クリスマスツリー?」なんと素晴らしい作品なのでしょう。

 

サンタさんを信じる子供たちがいるご家族は、そのプレゼントに思いを馳せる楽しい日々をお過ごしでしょうか。わたしも、親になってからはクリスマスイブの夜、幼い息子の枕元にギリシャ語で書かれたお手紙と「自転車」が置かれているのを目撃しておりました。息子の驚くうれしい顔が忘れられません。懐かしい思い出です。

さて、前回はマリアとヨセフ、幼子イエスが博士たちや羊飼いから祈りを捧げられた降誕物語が話題でした。では、この貧しく無力な聖家族がその後どう生きたのかをお話しいたしましょう。

ヘロデ王は、恐ろしくも己が地位、権力を守らんとしてキリスト殺害を企み、領地内の2歳以下の男の子の皆殺しを命じたことは、前回お話した通りです。

その時、ヨセフは、その計画を察知してマリアと赤子イエスを連れてエジプトに逃避行したのでした。おそらくはただ神への信仰のみを支えとして。故郷ナザレではこの家族は行方知れず。村人、親族はどれほど心配したことでしょう。エジプトで、ヨセフはどのように家族を養い、守ったのでしょうか。当時14歳程度と思われる母マリアも初めての子育てを見知らぬ異国の地で、さぞ大変だったでしょうね。

やがて、ヘロデは亡くなり、聖家族はナザレに帰還することができました。

 

クリスマス物語は、幼子の虐殺事件と難民となった無力で貧しい家族の物語でもあるのですね。現在の難民問題に通じる重いテーマでもありますけれど。

 

松本 利勝