日本の美しい四季に幸せを感じます。故郷、福島の三春の滝桜、そろそろ満開でしょうか。
毎年、その優美な枝垂れ桜を見せてくれる滝桜ですが、一期一会の艶やかさです。昨年とも異なる桜色、枝ぶり、風に揺れる風情。来年も異なるでしょう。
滝桜は過去から進化を続けています。過去の我が栄光、苦悩にとらわれず。わたしたち人間は、いつまで過ぎ去った出来事に心を覆われてしまいがちですが、しかし、それでは未来は築けません。
古の物語を思い出しました。ある財産家の女性。
長く住んだ街が突然の火山爆発。あまりの急なことで身ひとつで逃げる途中、数多ある財産を惜しみ、ふと振り向いてしまったのです。その瞬間、彼女は石になってしまいました。
過去は変わりません。過去は現在の今の自分の糧になっていますが、過去にしがみついたり、あの時、こうすれは良かった、と思い悩んでも未来は作れません。
心が石になるのです。頑な石に。
四月。新しい季節を生き抜いていきましょう。かつて見たこともない感動の春が到来しています。
松本利勝
国家資格キャリアコンサルタント