放射能と暮らす

f:id:careersg:20180826222037j:plain福島県郡山市郊外の墓地横にある放射能汚染土の山

お盆に故郷、福島の郡山に帰省しました。兄と叔母の初盆のお墓参り。墓地は市郊外にあります。心が凍り付きました。墓地の駐車場がいつのまにか、東日本大震災時の福島原発が拡散した放射能にまみれた汚染土の山に変貌していたからです。

もちろん、業者の方々が丁寧に、環境に配慮しながらされているプロの仕事です。

美しい福島。山並みの見渡す限りの風景が、見えない放射能に汚染されているという現実が胸を突き刺します。放射能は自然を静かに破壊する見えない悪魔のようです。亡き父が愛した山ではそこに山菜やキノコがあっても、口にすることもできません。実は汚染土の撤去は農園や生活圏のごく狭い範囲のみ。汚染除去などできるはずもないのです。見渡す限りの光景に汚染はあるのですから。

それでも、福島の人々はそこで暮らします。汚染され、墓地に汚染土が山積みにされても、ここが愛しき故郷です。

わたしが住んでいる東京はかつて電気という形で福島の原発恩恵を受けていました。胸が痛みます。取り返しのつかない犠牲の上に私たちのライフラインが支えられていたのです。当たり前の日常として。

現在の日本のエネルギー政策は原子力が是とされています。確たる代替エネルギーが現れるまでは耐えなければならないということです。

さて、このような時代にわたしたちは、どのように生きるべきなのでしょうか。

 

[松本利勝 国家資格キャリアコンサルタント 産業カウンセラー 元中高校長〕