人はなぜ働くのだろう

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(環境省傘下の企業社員研修風景)

一昨日、大阪で企業研修講師。環境省が設立した会社の社員コミュニケーション研修でした。4時間のプログラム。副社長さんなど偉い方が横にいて観察していらっしゃるやや堅苦しい雰囲気。しかし、わたしはマイペースです。どんな状況、人数でも、状況に合わせたプログラム編集をその場で行います。

今回も、61名と聞いていた参加者が45名。平均年齢は60歳くらい。ほぼ同世代のお仲間でした。

研修開始前に何人かとそれとなくこの会社のこと、仕事に就いた事情などをヒヤリングしてみました。すると、ほぼ全員が前職があり、定年退職して再就職した人たちでした。白髪も薄毛も老眼も普通。孫もいます。前職ではそれなりの地位もあった方々。

プライドもお持ちです。このような人たちへのコミュニケーション研修に上からの目線はあり得ません。仲間としてこれからどう働き、人生を生き抜くかを問いかけました。わたしの職歴とこれからの野望(たとえばいかにしてキャリアコンサルタントでありつつ、本物の忍者になるか。)を語りつつ、限りある人生、命ある間、やりたいこと5つを教えてください、と。

するとみなさん、真面目に考えて話し始めたのです。グループは大盛り上がり。新しい職場を考える人などおりません。老後を考えているのです。しかし、活き活きと生きていたい。そのために真剣になるのです。いつしか、偉い方がそばで観察しているのも忘れ、堅苦しい雰囲気は一掃。そして、気が付けば研修は終わっていました。

笑顔とあいさつ。これはコミュニケーションの基本です。しかし、その前提はお一人様一回限りの人生という舞台でどう自分を輝かせるかを探求していること。その姿勢がなければ、自己肯定もできず、今を楽しめないでしょう。

今回は、同世代との対話だったと思います。講師は教えるのではなく、同士として語り掛ける仲間なのだと、思いました。

松本 利勝

国家資格キャリアコンサルタント

産業カウンセラー

元中高校長