人生は遊び

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「ライフプランニング」という言葉があります。自分の人生のゴールを設定し、それに向けて人生をどう計画するか、ということです。
キャリア教育ではそのような力を習得することを大切にしています。しかし、現実にはそう簡単なことではありません。わたしたちの日常は、そのような計画がなくても、それなりに流れていくように思えるからです。ましてひどく貧しければ、日々の飢えを満たす一切れのパン、一握りの米粒を求めることに追われ、人生の目標、そのための道程など考える余裕などはありません。マズローの満足理論を説明するまでもありません。
 そもそも人生のゴールとは何でしょうか。実は人生にはゴールなどないのかもしれません。わたしの父は、バイクで近くに住む叔母に届け物をしている途中に事故に合い、あっという間に人生の強制終了を強いられました。志村けんさんも岡江久美子さんもあっという間にコロナでその人生は閉じられました。人生の終焉は、誰も知りえないのです。わたしもあなたも。
 誰にも知りえぬ人生の終わり。ゴールなど設定することにどのような意味があるのでしょう。だとすれば「今」だけが人生のゴールということになります。人生プランニングとは、今をどう生きるか、ということになりませんか。そして次の問い。「今」を生きるとはどのようなことか。その答えは「ワクワクドキドキ」。もはや、理屈ではありません。それをしていると何か楽しい、ワクワクする。ドキドキして感動してしまう。そのようなことを見つけることです。人は楽しくなければ、やる気が起こらないのです。そして、不思議なことに、その楽しさは、何故か人に喜んでもらえなければ、その感覚は永続性を持たないのです。それを遊びともいうのかもしれません。

人はどうやら、人のために生きるように作られているようです。
 コロナ時代、そのライフプランニングの理。

 

松本利勝

国家資格キャリアコンサルタント

産業カウンセラー

元中学校・高等学校校長