忍者のおそるべき集中力はどこから生まれるか

f:id:careersg:20200725151952j:plain 忍者の師匠「習志野」氏の手裏剣

忍者が手裏剣を確実に敵に命中させる極意は、集中しないことかもしれません。そう感じたのは、先日のたまに行う、手裏剣修行の時でした。場所は東京のときわ台駅近くのとある修行場。今回の師匠は、佐助さん。手裏剣投げにおいて日本一を誇る若き達人です。棒手裏剣のいくつかの打法を教わりました。手裏剣は戦国時代、いやそれ以前から伝承されていた忍術の武器の一つ。佐助さんは、幼き頃から、その師匠からその技を継承しています。佐助さんはNHKはじめマスコミ出演もされていますから、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。佐助さんの身体能力は、手裏剣だけではなく体操選手のようなバク転、目にもとまらぬ回転飛び蹴り、剣術すべてにおいて高レベルであると見受けられます。
 さて、手裏剣の技の極意、それは何でしょうか。手首のスナップを使わず、手裏剣の背をなでるように押し出すこと。・・・言葉では意味不明ですね。わたしも何度も試してみますが、そう簡単にはうまくできません。後ろに飛んで行ったり、床に刺さったりです。

手裏剣、両手打ちの修行を始めたときの佐助さんの助言。「利き手ではなく、もう一つの手に聴くこと」利き手には意識が行き過ぎて、余計な力が入る。大切なことは、脱力して自然体で打つこと。利き手でない手は、普段意識しない自然な脱力が出来ていると。集中とは、実は、意識しない当たり前の状態に身をゆだねることなのだと実感いたしました。
人生の決断も、意識過剰になると的をはずします。キャリア形成も、悩みも自然体の脱力、利き手でない手に身と心をゆだねるのが理にかなっているのかもしれません。

松本 利勝

 

国家資格キャリアコンサルタント

産業カウンセラー、教育カウンセラー

元中学・高等学校校長