流行。鬼滅。映画の見方

鬼滅の刃、というアニメ映画を観てみました。いつの時代もその雰囲気を象徴する音楽や映像、絵画などがあると思いますが、この作品もそのひとつでしょう。

流行ものにはすぐには飛びつかないのが、オトナのたしなみのように感じた時代もありましたが、今は変わりました。今を生きるこの私がこの時代の呼吸を体感するには必要な作業となりました。

さて、鬼滅の刃ーなるアニメ。3Dを巧みに使い映像的にも最先端技術と思われます。素晴らしい職人技を感じました。たまたま知人の娘さんご夫婦の努力の結晶でもあるのですが、日本のアニメ映画の奥深さは、物語の深さだけでなくこのような地道にコツコツと努力している職人さんたちによるものなのでしょう。

物語の作者はおそらく古今東西の神話、哲学、宗教から、今の時代状況を意識していると思われます。ギリシャ神話などにしばしば現れる人間の本質的願望と相反する理想、フロイトユングの無意識理論、またしばしば登場する東洋的身体回復呼吸法などを彷彿させます。近代の個人主義が歪んだ場合の孤立と家族的連帯への渇望が、日本的な言語表現で綴られる悪鬼や天女の詩的な世界。それが、この作品の魅力かと推察いたしました。

松本利勝

国家資格キャリアコンサルタント

教育カウンセラー

防災士