大学のカウンセラーの目

大学の相談室を担当して数年になります。人には言えない悩み、モヤモヤを受け止めること、また時に就職支援、学習支援もいたします。また教員、職員の個人的な思いも。 わたしたちカウンセラーはそっと寄り添います。発達障害の人、LGBTQ+の人、またそのよ…

ハラスメントのない世界は実現できますか?

太古の昔から、人類は争いが絶えません。そもそもは自分、家族、一族を守るため。愛するがゆえに戦いをしているのでしょう。愛が戦争、殺し合いの原因ではないでしょうか。時代が変わり、技術が進化しても、人間がその歴史を顧みれば、その根源は自分が生き…

ハラスメント防止研修はつまらない!

わたしが教頭であった頃、もう10年前になりますがー教員研修のひとつに「ハラスメント防止研修」がありました。教員研修の企画をするのも管理職の職務です。その頃は、まだどこに適切な講師がいるのかわからず、よく教育機関が依頼する○○というところにお願…

夢のように日々は過ぎるけれど

誰の名言だったか忘れました。が、確か人が最後に必要とする土地は自分のお墓の面積程度、と。わたしは多磨霊園共同墓地を予約していますので、手のひら程度です。 なのに、私たちはどうでしょう。この世のものに執着している! 最大の執着は愛する者たちと別…

大学の相談室から

今、弊社の業務の一つとして、ある大学の相談室運営があります。この大学は理系の大学で、しかも文科省管轄ではありません。授業も特殊で一般の大学とはかなり趣が異なります。しかし、学生さんたちは普通の学生さんたちです。その悩みも思いも、夢も特別に…

「宮沢賢治」という★ 知らなかったことですが、宇宙に「宮沢賢治」という名の星があるのですね。ある天文学者が発見した星にその名を付けたのでした。何と素敵な名前でしょう。 宮沢賢治も星が好きでした。彼は科学に学び、そして法華経に真理を求めていたの…

ぶつかるのではなく引いてみる

ここ数年、忍者のスキルを学んでいます。先生は本物の忍者先生です。髪を後ろに束ねて絶えず修行している若い先生です。最近は対面ではお会いしていませんが、手裏剣だけでなく、身体の使い方などの修業はとても面白いのです。 忍者は基本的には戦い人ではな…

 2022 の今

2022年12月24日。夜。華やかな街の灯。 古代イスラエル。ローマ帝国が支配する名もなき村でひっそりとイエスは生まれました。彼は、大人になり、生きることの意味を求め、しかし実は平凡な家具職人として生きていました。ただ神の教えを守りたいと願いつつ。…

不登校で悩む皆様へ

2022年度の統計では、中学校の不登校の生徒は全国で24万4940人。前年度よりプラス49,000人です。学校という組織の問題、先生たちの問題、文科省、教育委員会、家庭の問題、いじめなどその要因は実に複雑と思われます。私もかつて中学校教員時代にはそのよう…

ヒロシマ、ナガサキ、オキナワの語り部の人々から

かつて、中学と高等学校で、「平和教育」を担当していました。修学旅行も中学は「東北」から「長崎へ」。高等学校は「京都・奈良」から「沖縄」へ変えました。もちろん、東北も京都・奈良も素晴らしい学びの地。ですが、今の時代の教育には「平和」とは何か…

誰かの役に立ちたい思い・・

世界は不条理に満ちています。ウクライナ、香港、ミャンマー、そして今は報道されていない中東地域、アフリカ諸国なども含めて、世界の非人道的状況は、私たちの胸を痛めます。 ある専門家がこう言いました。「今回、欧米社会はじめ世界が平和を求めて動いて…

木の気持ち

何故、青梅の田舎に住まいを構えたか。それは美し森と川があるからです。そして福島の田舎に似ていたからでもありました。 吉祥寺の近くに勤務する学校があり、毎日長い時間をかけて通ったのでした。授業も楽しく、先生方や職員の皆さんとも愉快な関係を築け…

たけしさん、あの時はごめんなさい

学生時代は失敗の連続でありました。相手の気持ちも考えず平気で、行動していたものです。ある時、ちょっと贅沢して友人と新宿のとあるレストランで食事をしていました。 すると、わかき芸人のたけしさんも近くで食事をしていたのです。有名人など見たことも…

大丈夫。何とかなる。

カウンセラーの心得として最も大切なことは、何でしょう。もちろん人それぞれですね。わたしは、人生にいかに向き合うか、その一点ではないかと思っています。人の悩みはそれこそいろいろですが、人様の人生の中にお邪魔させていただく際に、その自分の生き…

カウンセラーの心の中

カウンセリングには、メンタルヘルス系とキャリア系のふたつがあります。わたしは依頼先の要望に応じて、それぞれに対応いたします。カウンセラー資格とコンサルタント資格の使い分けです。しかし、どちらも基本は同じ人間としてのリスペクト、そして傾聴で…

スクールカウンセラーの本当のこと

教育現場のカウンセリングの真実。わたしはこれまで35年ほど学校教育に関わってきました。担任、主任、教頭、校長、不登校担当主任と立場はいろいろでした。神戸で二年、東京で30年、仙台で2年。そして今年から埼玉の大学で。カウンセラーとしては資格を取得…

天使と出会ったときのこと

昔、天使に出会ったことがありました。群馬県高崎市、といっても周りは山ばかりの小高い丘にある「新生会老人ホーム」で。わたしは毎年、夏に有志の中高生を引率してそこで「人間の学校」と称して奉仕プログラムを行っていました。生徒たちが、ホームで暮ら…

カウンセラーは現場で学ぶ

最近、あるお役所の20代の新人さんのカウンセリングを担当する機会に恵まれています。 これは人事部の企画なので特別に悩みがあって、訪ねてくるわけではありません。ただ、話をしていると実はこれからの自分の働き方について不安がある自分に気が付いたり、…

森のカウンセリング

高校教員時代に軽井沢でキャンプの引率をしていた。軽井沢のすばらしい自然の中で自分をみつめるという体験型ワークショップ。夜明け前、希望者のみがキャンプ場の林に囲まれたファイアー・スペースに集まり、夜明け前の静けさと夜明けの森の色と目覚める音…

めんどくさい人

なんだか、めんどくさい。もうどうでもいい。何もしたくない。誰とも会いたくない。電話にも出たくない。人間関係はめんどくさい。友だちも家族もめんどくさい。あぁ、めんどくさい。会社もいきたくない。挨拶も笑顔もめんどくさい。もう歩くのもめんどくさ…

わが子が学校に行けなくなった・・・

「うちの子が連休明けから・・・学校に行けないんです・・」そのようなご両親の相談が珍しくありません。小学校では約5万3千人、中学校で13万人弱の子どもたちが不登校であると報告されています。 某政府機関の相談室でも例外ではありません。「実は仕事のこ…

代々木駅ホームで声をかけてきたのは・・・

先日、高輪の事務所から市ヶ谷の某機関のカウンセリングルームに。市ヶ谷までは代々木駅で総武線に乗り換えます。目指すホームに階段を上がると、目の前に電車。発車のアナウンスが聞こえ、「ん、無理かな」と思いつつ、少し小走りに。が、このままでは「挟…

森川すいめい、というカウンセリング

森川すいめい。その名を最近まで知りませんでした。1973年生まれの精神科医の先生です。たまたまNHKの「心の時代」の取材に応じていました。彼は20年以上、路上生活者支援に取り組んでいます。心打たれたのは、その支援活動の背後にある彼自身の壮絶な家族と…

人生の意味を問う人生に意味はない

キャリアとは、周知のごとく、単なる職歴だけではなく、生き方、人生の道程そのものを表す言葉です。従って資格があろうとなかろうと、キャリア・コンサルタント、カウンセラーという職業でなくても実は、誰でもがキャリアを持っていることになります。問題…

命のキャリア

わたしたちがご飯を食べるとき、「いただきます」といいます。子供のころに、親から教えられてきた習慣です。そして大人になって、あらためてその理由を調べると、どうやら多くの日本人は、動植物の命を奪って、その「いのちをいただく」のだから、「感謝の…

カウンセリングとコンサルティング

某大学、某政府機関のカウンセリングを担当させてもらう中での実感。それは、実際の現場ではクライアントに向き合って対応する際には、心理学的アプローチだけでなく、キャリアコンサルティングのそれもスキルとして持っているなら、さらに意味ある関わりが…

先生になれない先生たち

世の中には、「センセイ」と呼ばれる人たちがいます。学校教師、政治家、弁護士、華道家、調理師、カウンセラー、など。その言葉は、ときに揶揄され、嫌な思いをすることもありました。 私は初めて神戸で新米教師として教壇に立ったとき、「センセイ」と呼ば…

ピラミッドの謎

古代エジプト文明の象徴、それはピラミッド。絶大な王の権力の証であると同時に、古代人の死への恐怖のそれでもある。我々人間が他の生物と異なるのは、いずれ死すべき有限な存在であることを知っていることである。だからこそ、権力者は、自らを神として崇…

被災者支援されたあなたへ

働くことは、誰かと何かを通してやり遂げること。それはドキドキワクワクハラハラクタクタ体験でもあります。生きてる実感は、まさにそこにあるのではないでしょうか。 近年、退職前の自衛官の再就職支援のコンサルティングや授業を担当させていただいていま…