あまり知らない障がい者雇用の課題

f:id:careersg:20171118003101j:plain日本キャリアデザイン学会テーマ「障がい者雇用」ライブ 2017.11.17   於:明治大学リバティ館

昨夜、久しぶりにキャリアデザインの勉強会に。テーマは「障がい者雇用」。教員になって以来、生徒と知的障がい者、盲学校生徒との交流プログラムを企画してきました。それは健常者の生徒たちに、この世界には多様な人々が生きていること、その共生、今で言えば心のバリアフリー、ダイバシティ教育を伝えたかったからです。が、実はわたしの叔母が下半身不随の障がい者で、地域からも身内からも差別されていたことを子供のころから理不尽であると思っていたことがもともとの動機です。。

今は「障がい者雇用促進法」が出来て、一定の規模の企業は全従業員の2.2%は障がい者を雇用することになりました。(例えばヤマト運輸従業員15万9900人。障がい者の従業員3519人)しかし、実は企業はどのように「障がい」を理解し、かつ、どのように彼、彼女を受け入れ、どのような職種、職場を提供するか、その取り組みは始まったばかりです。送り出す特別支援学級、学校の先生がたの知識も、経験も多くはありません。障がい者のキャリア教育という概念自体がまだ、周知されていないのです。

確かに、わたしの経験値からしても、特別支援学校の先生方は必死に努力しているのですが、普通学校の一般の教員の意識の中には障がい者の雇用、そのキャリア教育という問いそのものが希薄です。少なくても、わたしはそうでした。

施設を訪問し、交流まではするのですが、そこにはどこか同情、上から目線、「わたしいいことしてる」意識がありました。そこで終わりでした。今回の講師の方からの問いかけ。心に刺さりました。「先生方は障がい者に自立をさせたい、とおっしゃるが、先生自身、自立しているのでしようか?」確かに、わたしたち教員のほとんどは「障がい」理解にしても「就労可能な企業。職場」についてもよく知らないのです。自立した生き方も模索している最中でしょうし、自立とは何か、それも自覚できていないかもしれません。

また、次の言葉も忘れられません。「障がい者をサポートする側へのサポートが必要」。確かにそうでした。わたしも教員として、管理職としてサポートを求めていました。ひとりでは、自分の課題にも気づきませんし、励ましも与えられませんから。

今のわたしが出来ることのひとつは生徒をサポートする先生方をサポートすること。またそのようなコンサルタントをサポートすることかな、と思っています。

「障がいとはその時代のスタンダードに合っていないこと」。障がい、という言葉の定義も国により、時代により変わるようです。わたしたちの学びはさらに深めなければならないと、あらためて考えさせられた夜でした。

 

元校長 

キャリアコンサルタント

産業カウンセラー     松本  利勝