先生たちと生徒たちの心模様

三月は、卒業式の季節ですが、卒業は若者たちだけの出来事ではありません。先生方もまた、夢を目指して教職を捨て、新しい道を歩む人々もいらっしゃいます。

ある若い教師は、熱い思いを持ち、数年間、教壇に立っていました。しかし、思春期の心揺らぐ難しい子どもたちとの格闘に疲弊してしまったのです。そして、一旦、専任教職を辞する決断。

終業式の数日前、その人は、生徒たちに別れの挨拶をされました。挨拶を終え、教員室に戻る途中、いつも授業をうるさくしていたある生徒が「先生が辞めるのは、俺が言うことを聞かなかったからですか?」と神妙に話しかけてきたのです。

生徒たちの心に何が起きたのでしょうか。 わたしには「先生、定年ですか?」と、生徒たち。「まぁ、そうかなぁ。でも、新しい夢にチャレンジしたいんだよ。」と笑顔のわたし。

卒業は子どもたちも大人たちも転機の時。

キャリアとは苦い、時に美しい転機を重ねることでもありますね。

キャリア教育とは、実は人々の人生の心の揺らぎ、悲しさ、喜びに思いを寄せることでもあるのでしょう。

そのような教育に、わたしはチャレンジし続けて行きたいと思います。新しい世界で。

松本利勝

国家資格キャリアコンサルタント

産業カウンセラー