過日、89歳の義母が初めて介護タクシーを利用いたしました。入院先の病院からリハビリ専門病院までの片道40分のドライブ。ドライバーはAさん。この道13年のベテラン。今、私は50代の転職支援をさせていただいていますが、福祉業界を希望する方も少なくないことに気づかされています。そこでキャリアコンサルタントとして少しだけ、お話しを伺いました。
(気遣いを絶やさず丁寧な介護をするAさん。Aさんはもともとアパレル業界で働いていましたが、13年前に現在の職種に就かれたとのことです。現在50代後半。)
(病院受付まで車いすで介助してくださいました。)
Aさんは起業してひとりでこの仕事をしています。納得のいくホスピタリティのある人様に喜ばれる仕事をしたい。儲けは二の次であると。介護タクシー購入代は約540万円、そして行政の許可をとり、始めたのだそうです。資格は介護福祉初任者研修修了、二種免許。大手の業者で働くこともできるけれども、利益を考えると安全性より効率性を重んじることになりがちであるので、その選択はなかったそうです。営業、つまり顧客を探すのは大変ですが、Aさんと信頼関係を構築できた病院からの紹介があるので助かっていると、教えてくださいました。また奥様と共働きをしてはじめて生活が成り立つ厳しさもあるとのこと。
Aさん、そう語りながら笑顔が素敵でした。
50代からの再就職は楽な道ではありません。しかし、人生は一度きり、自分が楽しく生きて、かつやり甲斐がないと長くは続かないものですし、そうでなければ悔いも残るのでしょう。Aさんのお話しを伺いながらあらためてそう感じました。
松本 利勝
国家資格キャリアコンサルタント