半沢直樹の世界から自己理解へ

大人気ドラマ「半沢直樹」が終わりました。初回から目が離せず、楽しく見ることが出きました。メディアでは、出演された俳優さんたちがそのメイキングストーリーを紹介するなどして盛り上がっています。俳優さんたちが、生き生きとその役柄を演じていらっしゃる様子が伝わり、実に爽快でした。

ところでこのドラマ・・・・私たちは、ドラマのだれに己を重ねてワクワクドキドキスカッとしていたのでしょうか。主人公の半沢? その妻?大和田常務? 美人秘書? 金融庁役員? 中小企業の社員?いかにも悪者の幹事長? 悪徳弁護士。。女性大臣? ・・・

 

私の場合は、もし自分を重ねるなら、いや、最も興味深い登場人物としてその名をあげるなら、悪徳弁護士や銀行の派閥に翻弄され、またワイロを受け取る信念のかけらもない役員たちでしょうか。更に顔芸、恫喝の上手な幹事長も捨てがたい魅力でした。

 

現実社会では、私たちは、実は、ある人々から見れば許しがたい悪者であるとは自覚しておらず、ほとんどがご自身は善人であると思い込んでいます。会社役員や政治家のみならず、高名な宗教者などにも己こそ、真摯な善人であると。滑稽なのはそれらの人々は、その多くが謙遜を装い、人に教訓を垂れる機会を与えられていること。

 

私たちが己の滑稽さに気づくのはいつのことでしょうか。自己理解を深めるとは、実に厄介な行為です。誰しも、まず自己理解、ありのままの自己受容というのですが。。。

 

松本 利勝

国家資格キャリア・コンサルタント

産業カウンセラー・教育カウンセラー

元中学・高等学校校長