カウンセラーは現場で学ぶ

最近、あるお役所の20代の新人さんのカウンセリングを担当する機会に恵まれています。

これは人事部の企画なので特別に悩みがあって、訪ねてくるわけではありません。ただ、話をしていると実はこれからの自分の働き方について不安がある自分に気が付いたり、ありたい自分の姿を確認したりする意味ある時間になっているようです。

 

今回は体験カウンセリングということなので、相手の方から話しかけてくることはありません。信頼関係を作ることは当然のプロセスですが、そのためにはカウンセラーの適切な自己開示、相手の気持ちに寄り添いながら語り掛ける開かれた質問が必要でした。カウンセラーは何より傾聴することが大切ですが、傾聴とはただ相手の言葉を受け取るだけのことだけではなく、相手が自分自身の今の在り様を客観的にみつめることができるような支援という意味合いもあります。コンサルティングの技法にも通じる要素です。

 

カウンセリングもコンサルティングも、おそらくコーチングも現場で経験を積むことでそのスキル、しかも表面的な技術という意味合いを超えた関わり方を進化させるのでしょう。

わたしは、恵まれてそのような機会をいただける環境におりますけれど、資格を取得したばかりの方は、どのようにして「現場」を持てるのか、悩むことが少なくありません。資格はとったけれど・・・この資格をどう生かせばよいのだろうと途方に暮れる。

 

しばしば、資格を取ると上級資格に挑戦する方がおられます。それは勉強を継続するうえでの大きなモチベーションになりますでしょう。けれども、それも現場を持ちながらでなければ、たとえ立派な上級資格をとり「指導者レベル」と呼ばれても現場を知らない方は指導はできません。水泳理論で博士になっても、水に入ったことのない方は、水泳の指導者にはなれないのと同じです。特にカウンセリンクやコンサルティングはその人の人生経験の豊かさ、内省の深さも大きく関係するからです。

 

さて、今、コンサルティングやカウンセリングを勉強されていらっしゃる皆さん、これからどのような現場で自己研鑽を積まれますか?

 

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松本利勝

 元中高校長 教育カウンセラー(不登校問題などでお悩みの方、お話を伺います)

  国家資格キャリアコンサルタント 産業カウンセラー 防災士