スクールカウンセラーの本当のこと

教育現場のカウンセリングの真実。わたしはこれまで35年ほど学校教育に関わってきました。担任、主任、教頭、校長、不登校担当主任と立場はいろいろでした。神戸で二年、東京で30年、仙台で2年。そして今年から埼玉の大学で。カウンセラーとしては資格を取得してからのこの5年くらいでしょうか。

学校のカウンセラー、いわゆるスクールカウンセラー臨床心理士、公認心理士、産業カウンセラーが採用されることが一般的ですが、その立場の多くは非常勤で週に2回から3回程度。時給は学校により異なります。公立系は教育委員会の方針によりますけれど、学校を循環するカウンセラーがいる程度でしょうか。

スクールカウンセラーは児童・生徒・学生の声に耳を傾け、その命に寄り添います。しかし、そのことはカウンセラーひとりでできることではありません。学校現場には、その人を支援する様々な人々がおります。職員、教員、カウンセラー、管理職と立場が異なっても、その人を応援する気持ちは一つです。そこで大切なことは必要な情報交換ができる協力体制です。自分だけが持つ情報だけで、その人の置かれている状況、その支援し方が見えるわけではありません。カウンセラーの守秘義務は守ることは倫理的に当然のことですが、その基本は相談者の命に支援です。そのことのためには、他の人々とチームになって相談者を支援することは必須なのです。

かつてある私立校で不登校の生徒支援委員を担当してい時には、保健室、図書室、教頭、校長とは定期的に意見交換会を開いておりましたが、そこにカウンセラーの意見もしっかりと反映させていました。スクールカウンセラーの方はカウンセリングについては一定の知識、経験はありますが教育現場での担任等の立場などはご存じないので、このプロセスが必要だと判断されているからです。願うは相談者の生きんとする命の回復。