たけしさん、あの時はごめんなさい

学生時代は失敗の連続でありました。相手の気持ちも考えず平気で、行動していたものです。ある時、ちょっと贅沢して友人と新宿のとあるレストランで食事をしていました。

すると、わかき芸人のたけしさんも近くで食事をしていたのです。有名人など見たこともないので思わず、コースターを一枚持参して、「すみません。ファンなんです。サインいただけますか」と図々しく。彼は気持ちよくサインしてくれました。ですが、後に彼が出版した本の中で「食事中にコースターにサインしてくれという人がいて、とても嫌だった」と。その時はかなり親しい方とお二人でしたので。その文章を読みました時は思わず心の中で叫びました。「たけしさん、ごめんなさい。さぞ失礼な奴だとおもわれだでしょう。どうぞおゆるしください」と。

 

学生時代の失敗は、数限りなく。今、還暦を超えて思い出すのは、こうして人生の味わいをかみしめることができるのも、これまで迷惑をかけ、失礼を重ねてもそれを許してくださった多くの人々のお陰であると思います。

 

今、とある大学相談室で学生さんや教職員さんたちのお困りごとを聞かせていだたいていますが、ある程度、人の失敗も許せる自分になったかなと思うこの頃です。