クマの身だしなみ

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テディベアの可愛い絵を見つけました。表参道沿いの小洒落た小さなお店で。自分のような冴えないおじさんには似合わない通りですが、通勤路なのです。彼は実に上品な身だしなみ。 ところで、きょうは、石和温泉のある施設でカスタマーサービス向上プログラムの講師のお仕事でした。チェックポイントのひとつは社員の身だしなみです。 A子さん。髪の毛が茶髪。笑顔が、素敵なのに残念。 B男さん。靴磨いてない。クレーム対応のロールプレイはソツがなかったのに残念。 C子さん。お辞儀が浅くて、しかも背中が丸い。敬語の使い方が素晴らしかっただけに残念。 D男さん。ズボンシワシワ。アイロンかけないと。素朴な人柄が好感をもてましたのに残念。 E子さん。面接官とのアイコンタクト、わたしだけ見つめすぎ。怖くなります。立ち居振る舞いが綺麗でしたのに残念。 接遇研修は、特に接客業に携わる方には必須ですが、身につけるのは容易ではないようです。社員の皆さんはマニュアルを持っているとのこと。中には接遇の理論もご存知の方もいらっしゃいましたが、現場での実践は簡単ではないのですね。 ディズニーのクルーと称されるスタッフの接遇研修の質の高さは有名ですが、ディズニーで遊ぶ研修も効果的かも知れません。 見た目も中身も見られるのは、接遇研修の基本。まさにメラビアンの法則! (メラビアンの法則 アメリカUCLA大学の心理学者/アルバート・メラビアンが1971年に提唱した概念。人物の第一印象は初めて会った時の3〜5秒で決まり、またその情報のほとんどを「視覚情報」から得ていると言う概念。メラビアンが提唱する概念において、初対面の人物を認識する割合は、「見た目/表情/しぐさ/視線等」の視覚情報が55% 、「声の質/話す速さ/声の大きさ/口調等」の聴覚情報が38%、「言葉そのものの意味/話の内容等。」の言語情報が7%と言われている。)(Wikipedia

可愛いネコ

息子が、タイ旅行で大きなネコに頬ずりしている写真を送ってきました。びっくりです。よーく見るとそのネコ、大きな大きな虎さん。息子はネコは好きですが、幼児の頃から触れることはできなかったはず。タイで開眼したようです。可愛いネコです。息子が今までできなかったことも環境を変えることで、可能になった。そういうことでしょう。

環境を変える。それは新しい人との出会いがある、ということです。一度は決めて就いた職業も、定年になったり、どうしてもミスマッチしていたり、また新しい可能性にチャレンジしてみたいその時、思い切って環境を変えてみるのもありなのではないでしょうか。

わたしも、神戸から東京、仙台、そして再度東京へ。教員という職業は変わりませんが、環境は変わりました。男子校、女子校、男女共学校全て経験したことになります。その都度、大きな決断が求められました。環境を変えることで、それまで見えなかったもの、自分の阿保さが見えて、失望したり、感激したりいたしました。

特に校長時代には、理事会運営、組合対応、保護者対応、地域の自治会の人々との信頼関係構築、マスコミ対策、教員採用と人事についてなど、教頭時代には知り得なかった事を知りました。守秘義務がありますので、残念ながら、ここで紹介は出来ませんが、想像も出来ない、驚愕の事情でした。

きょうは、明日から始まる石和温泉である企業のカスタマーサービスの外部審査員の仕事のために甲府に前泊。

顧客への本当のサービス、接遇とは何か、あらためて考えさせられる仕事です。人を大切にする、という当たり前をどう現場で実践するか、です。この学校とは異なる環境で新しい自分を見つけています。

明日は、髪を整え、ビジネススーツで仕事です。

元校長

松本利勝

生徒はいつでも座席交換したい

f:id:careersg:20171027110752j:plain横浜の外交官の家 レトロな机が素敵

最近、私の教えている中学1年生の一部の生徒たちが授業が始まると「先生!座席交換してほしい」と叫ぶのです。理由を聞くとはっきりしません。どうやら、今の席だと嫌いな人が近いとか、仲良しの子と一緒にいたい、ということのようです。かなりわがままな理由でもあるのですが、わたしの返答。「いいですよ。ただし、次の授業までに、提案者が具体的な案を考えてきてください。そして次の条件を前提にしてください。座席を変えることで、おしゃべりが増えたり、誰かが孤立したり、寂しい思いをしたりしないような案であること」すると、生徒たちは、何も言えなくなりました。生徒たちの本音はとにかく「あの子がきらい。あの仲の良いあの子といたい。おしゃべりもしたい」ということだからです。こうして、少しだけ自分の気持ちをみつけます。

生徒たちは、学校と言う社会の中で、今人間として何が大切か必死に学んでいます。ですから、わたしたち大人は、その勝手な愛情、思い込み、そして道徳的な信念を生徒に押し付けてはなりません。子供に関わり、彼らと共に大人として自律的に悩む時こそ、私たち自身の人としての成長の時ですから。

生徒たちは今、夏休みが終わり、中間試験も終わり、文化祭の準備期間になり、かつ思春期の心の揺らぎが激しい時期を過ごしています。クラスの雰囲気も微妙でデリケートです。身長も伸び、心身共に成長するこの時期、健やかな反抗期を過ごしてほしいと願います。

わたしにとっては孫のようなこの子供たち。長年の教員経験。生徒の母親もわたしの大切な教え子であることもあります。先生たちも懸命です。何事も俯瞰して、冷静に大人の判断で学校という人間の世界を見守りたいものですね。

 

元校長

松本 利勝

かわいくないネコ

f:id:careersg:20171025203951j:plain(きょう、路地で目が合ったネコ)

ネコは嫌いです。ネコは部屋に毛をあちこちにまき散らして清掃が大変。自分の抜け毛だけでも苦労していますのに。

ネコは、わがままだから嫌いです。まるで自分をみているようです。

ネコに餌を用意するのは大変です。自分のメニューさえ考えるのが大変なのに。

ネコは怖いです。いじめると化けて出ます。誰に対してもいじめていいことはありません。

ネコの毛づくろいをするのも面倒です。中高年の自分はもう毛づくろいするほどのポリュウムがありません。

ネコの目は鋭い。それに反して自分の目はなんと淀んでいることか。なかなか真実が見えません。

ネコはかわいそうです。たまに道路の真ん中で車にひかれてぼろきれのように屍をさらしています。まるでかつてインドのムンバイで目にしたホームレスの屍を思い出します。

ネコがその生涯を不安に思っているのかわかりません。しかし不安は自由であることの証。ただ、自由でいることの重さに耐えられるネコはこの世界に何匹いるのだろう、と思います。

ネコのリーダーはきついのでしょう。たまに路地でネコの集会をみます。しかし、いつのまにかリーダーが変わっています。ネコもリーダーで輝くものもいるし、傍らでそっとリーダーを見守りながらその組織を支えるものもいます。ネコもいろいろな種族があり、縄張り確保も命がけ。彼らの世界も楽ではないようです。

野の花を見よ、空の鳥を見よ。路地のネコを見よ。そこに見えるものは何でしょう。

 

元校長

松本 利勝

 

 

 

忍者になってみた

 

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一度してみたかったことがあります。忍者になることです。子供の頃の夢です。手裏剣も得意でした。チャンバラも大好きでした。黒装束のコスチュームは入手していました。伊賀者か甲賀者か、わかりません。とりあえずスタイルだけは。とはいえ、映画みたいにどこかの屋敷に闇に隠れて忍びに入るわけにはいきません。で、とりあえず今日、浅草寺界隈を歩いてみたのです。外人さんの観光客もいますし、羽織袴を着ている方も沢山いらっしゃいますから、あまり目立たないかなと。しかし、目立ちたいような気もしました。とにかく冷たい雨の中、ひたひたと参道を歩く。何人か振り向き様に「忍者だ」と声が聴こえました。欧米の観光客が微笑んで見つめていました。たいしたリアクションもせずにただ歩きました。

そして、「忍者」はほどなく雷門にたどり着きました。覆面をはずし、ジャンパーを着て傘をさして帰宅しました。ふと思いました。忍者の姿をしてただ歩くだけ。つまりません。今度は、忍者屋敷で手裏剣を投げたいと思います。

そういえば、転職先に忍者を選ぶ人もいました。それもありですね。

 

元校長

松本 利勝

 

 

 

やくざの手下になりそうだったあの頃の話

f:id:careersg:20171015004102j:plain(ブランコに乗ると大学生時代に座ったかつて存在した西池袋公園のそれを思い出します)

 

人は新しい道に歩みだそうとするときには、今までの自分の道程を振り返るものです。

そうでした。学生時代、仕送りはほとんど食費と本代に消えていた時、予備校時代に知り合った下宿の知り合いに誘われたことがあります。「いいアルバイトがある・・・一度説明会に来ないか」そして、池袋のとあるビルのホールに向かいました。そこは満員で、若い女性が、壇上で毎月の収入が100万円だと語っていました。仕事は、車のオイルを売るのだけれども、その前に仲間を誘うわなければならないと。ホールを出ると知らない若いやくざ風の男に喫茶店に連れていかれました。そして、お金があればご飯も食べられるし、本もたくさん買える。だから仲間を紹介しろ、と。そしてわたしはお金がほしくて、浪人時代の知り合いに声をかけたのです。初期投資は7万円。そのやくざに支払いました。奨学金をまるまる。気が付けば、わたしはやくざの手下のようでした。はじめは食べたこともないような焼肉屋をおごられ、優しくされましたが、いつになったらお金が入るのかと尋ねると、「もっと知り合いを紹介したらな」と。怖くなりました。そして、逃げ出しました。すると若いやくざはわたしの住むぼろアパートを探し当て、追ってきたのです。わたしは、恐怖のあまり、数日、友人のアパートに泊まり歩き逃げまくるのみ。そして、テレビのニュースで知った驚愕の結末。彼らが逮捕されたのです。詐欺罪で。わたしは我に返り、激しく後悔しました。7万円という貴重な奨学金は戻ってきませんでしたが、やくざの手下にならずに良かったと安堵しました。被害者から加害者になれば逮捕されてしまったかもしれません。

貧しさは、時に正しさを忘れる要因になること、そして自分の心のどうしようもない弱さがあることを思い知らされた時代でした。

今、他人様のメンタルケアや就職サポートに関わるとき、まず相手に求めるように自分に対しても過去の自分と向きあうことを求めなければと思うのです。

それにしても、もしわたしがやくざになっていたら、人生はどのように展開していたでしょうね。

 

元校長

 松本 利勝

学生が就職支援会社〇〇に誘導される仕組み

f:id:careersg:20171012094150j:plain(キッチンの豆苗は三回は生えます。90円です)

秋になり、まだ就職内定が決まっていない学生さんや、転職を考えているけれどもやや躊躇している方々が頼りにするのは何でしょう。大学のキャリアセンターでしょうか。転職支援の会社でしょうか。確かに、それらのスタッフに頼ることもうまく利用すれば、力になるでしょう。

多くの就職支援の会社はテレビやネットでCMしています。わたしも、興味がありますので、ある日、それらのネットにアクセスしてどのように支援しているのかと調べようとしました。そしてアクセス・・・・さて、どのようなリアクションと遭遇したでしょうか。

当然のことですが、サイトの最初はキャッチーな興味をそそるような情報が少しだけ読むことが出来ます。しかし、さらに読みたいと思うなら次のクリックが求められます。そしてクリック。すると、さらに情報を知りたければ電話番号の記入。そして、数日後に先方から電話がかかり、高額の就職支援講座の受講の勧誘。内容は一般的な基礎的なキャリア支援。という営業の仕方がわかりました。

就職がなかなか決まらず、不安にさいなまれている人々が、その魅力的な巧みな勧誘に思わず飛びついてしまうのもわかります。良心的な業者なら良いのですが、そうでなければ失望が増幅されてますます落ち込むことになるでしょう。その見分けは素人では難しいので厄介です。

就職に必要なことは、何でしょうか。誰でも知っていることですが、自分を知ることです。が、自分を知ることは自分だけではなかなか難しいのですね。元来、完全に自分を知ることなど不可能に近いでしょう。自分という人間を理解することはそんなに簡単なことではありません。とは言え、考え過ぎても何も始まりません。とりあえず、街に出て、それから近所のスーパーにでも行って、例えば「豆苗」なと゛購入し、水をあげ、三度目の収穫を楽しむのも良し。そして、もう一度、気持リセットして、焦らず、信頼できる人に相談してみましょう。笑顔がもどれば、自分への理解を深める何か良いことが。何とかなります。楽観性が最強。

 

元校長

松本 利勝