あまりにも寒い朝夕。ダウンのコートを着てみました。が、よく見るとこげ茶の前ボタン一個、見当たりません。どうやら夏の間に旅に出かけてしまったようです。などと童話のようなお話に興じている余裕はなく、用事で出かけた吉祥寺のユザワ屋さんで急ぎ似たようなボタンを購入。しかし、裁縫道具がない。それでファミリーマートで購入、近くのドトールの片隅でいざボタン付け。糸を針の小さな小さな穴に通すのに苦戦しつつ、他の頼りなくぶらりとしているボタンたちも補強。ひとまず、安心。
このようなささやかな作業、男子も普通にできなければなりません。かつては、父親世代の思い込み、「男子は外で仕事。女子は家事」。若い方でも本音はなんとなくそう感じている人もまだまだ少なくないように思います。ジェンダーフリーなどという概念も実は、根付くには時間がかかるのでしょう。職場でも、女性と男性の職種の垣根はなくなりつつありますが、これからです。例えば、男性保育士の割合は平成22年の統計で1万3,160人。保育士全体数は47万4,900人。2.8%に過ぎません。毎年、男性保育士は増えてはいますが、日本社会の労働環境の現実です。地方ではその傾向は特に顕著ではないかと思います。と福島の田舎町出身のわたしは実感しています。
とはいえ、少子高齢化の社会の今、確実に労働人口の確保が必要なことも現実です。ジェンダーフリーでなければその確保も難しい時代になりました。就職もジェンダーフリーの発想で、思い込みを捨て、キャリア開発をするのも人生の新たな可能性を開く道でしょうか。
わたしも、裁縫はともかく、ひょっとして今まで女性の仕事とされていた仕事が合うのかも知れないと秋の夜長、焼き芋を食べながら思うのでありました。
みなさんはいかがでしょう。みなさんの新しい可能性。
元 校長
キャリアコンサルタント
松本 利勝