新コロナと職業選択~50代からの再就職~

 

f:id:careersg:20200409154528j:plain(NHK 朝ドラ4月9日 信頼していた社長を失った馬具職人が会社を辞めるという。食べていくために。この職人は、苦渋の選択をしながらも馬具を作るというスキルを武器にたくましく生きる)


 いったい誰が、想像し得たでしょうか。この「新コロナ」現象。自粛の波に飲まれて、多くの人々が職を失い、路頭に迷うでしょう。命や夢を奪われてしまう人もいるかもしれません。仕事を得て、その労働の対価として日々の糧を得るのは、当たり前のことではないのだと、これほど痛感することは稀なことです。
 公務員という安定した職種の人々は、給料は保証されていますが、その立場にない人々は、いつでも職を失うという現実に直面しているにちがいありません。もちろん、公務員であっても災害時には、いのちを賭して臨むリスクには立ち向かわなければならぬ苦悩はあるでしょう。それらの人々への深い思いを持ちつつ、今は、職を失い、明日のごはんを食べることができなくなる不安と恐怖を持つ人々への想像力をわたしたちがいかに持つことができるか、が問われているように思います。
 さて50代に再就職を望む皆さんは、目下、思案していることでしょう。これまでの自分のキャリアが他の職場で通用するのだろうか。自分のだれにも負けないスキルとは何か。人生の目的は何か。この社会で、自分にできることは何か、どのような仕事を選び、そのためにどのような努力をすべきかを。

 その考える、という営みから逃避した人々には輝く未来は遠い。そう自分にも問いかける日々です。もう若くはないけれども、まだやれることはあるはず、と信じたい自分への慈しみ。

 

松本 利勝

 国家資格キャリアコンサルタント

 産業カウンセラー

 元中高校長。特に不登校支援カウンセリングに関わる。