大学の相談室から

今、弊社の業務の一つとして、ある大学の相談室運営があります。この大学は理系の大学で、しかも文科省管轄ではありません。授業も特殊で一般の大学とはかなり趣が異なります。しかし、学生さんたちは普通の学生さんたちです。その悩みも思いも、夢も特別に変わったことはありません。失恋、就職の不安、単位をとれない不安、希死念慮発達障害のカミングアウトなど実に多様です。

わたしたちの相談室の方針は、相談事がなくても気軽にぶらりと立ち寄れて雑談できる場にすること。私たちが運営する前の相談室には何と1年でわずか3人の相談者がいただけでした。理由は、カウンセラーがただ待っていただけだから、と思われます。確かに、普通の大学の相談室は通り一遍のパンフレット、広報があるだけでしょう。大学の教職員もそのようなものかと思っていたに違いありません。

 

わたしたちは、新年度の学生ガイダンス、すべての教職員との面談、留年生へのガイダンスを訪れて、安心して話に来れる「顔の見える」相談室になるように動いたのです。相談室担当の先生方も実に熱心に協力してくださいました。お茶、お菓子を常備することにしましたが、その費用は初めはわたしたちの寄付でしたが、今は教職員のカンパでです。今年は4万円程度。素晴らしいことです。そのような努力の結果、毎月の理由件数は10件から20件。深刻になものから軽いものまで。今や学生課職員さん、保健室のスタッフ、就職相談室スタッフも相談室と連携するようになりました。

すべては学生のために。相談室は誰でもいつでも、気軽に訪ねてこれる優しい場になりました。

わたしたちが運営している限り、これを続けたいと思っています。